Paris 5

最終日はVETEMENTSのショウルーム。

ショーは意外なくらいメジャーな場所だったのに、ショウルームはやはり辺鄙な場所。。
治安が良いとはいえないし、ツーリスト、メディア・アパレル業界の人を見かける場所ではない。


でもこういうローカルな感じ、きらいじゃないわー。

「本当にここ!?」と思いながらも大きな扉を開いたら、その先に大きなロゴが見えて安心。
今回の会場は倉庫ですね。

体育館のような広い場所に、ズラズラ〜ッとコレクションが並びます。
「もっといろいろ買付けてね(笑)」と恒例の小言をもらいながら、試着大会スタートです。


ショーで観たピース、間近で見るとまったく別の印象。
ていうかありえない超ド級の作りこみ……毎度のことながら本気出しまくってる。

ヴェトモンから発生したトレンドは、現在あらゆるメゾンに影響を与えていますが、
彼らはアイテム自体はオーセンティックで一過性でないところが好き。
それに「装飾」というよりはガチの「構築」。
特にテイラーリングピースは、本領がいかんなく発揮されていて素晴らしいです。


ただ現在デムナが手がける2ブランドの類似性が気になって、ちょっとぶつけてみたんですよね。
ぶっちゃけヴェトモンを薄めたようなデザインというか……。
そこが着やすくてよかったりもするんだろうけど、スタイリストまで一緒だしアリなのかなって。

でも話をするうちに、自分はもう前提からして間違ってたのではないか……と思いました。

まず自分は、老舗メゾンのクリエイティブトップに就任するのは名誉なことだと思っていたんですね。
とくに90年代には、デザイナーとしての実力を認められたという出世の第一歩。
それで自身のシグネチャーブランドでやりたいことやって、
大手メゾン用には別の、それらしいデザインを提供する方法が一般的だと思っていたんです。

でも最近では大手メゾンがイケてるデザイナーをリクルート、
数シーズンでクビをすげ替えて投資家を喜ばせてきた慣習のおかげか、
老舗へのリスペクトはあっても、以前ほどには名誉なことではないと新世代デザイナーは割り切ってる。
特にデムナはマルジェラ、ヴィトンにもいて、デザイナー交代劇を間近で見てきていますもんね。

それと新進デザイナーがトップメゾンの生産背景と財力を使うことで、
シグネチャーよりも格上の出来栄えを実現することも、これまではよくありました。
でもヴェトモンは新進ブランドでありながら、トップラグジュアリーメゾンと同じファクトリーを使っているんです。
これはあまり伝わってなくてプライスばかりが注目されがちですが、おかげでファブリックも完成度も申し分ない。

だから「むしろ本家はうちですから〜」って態度なの。

実力があるから出来ることなんでしょうけど、もう時代が変わったんだなと。。
真逆に価値観を揺さぶられて、ザワザワ〜ッて鳥肌が立ちましたよね。


ともかく、まずは2月に届くはずの春夏が待ちきれませんなぁ!!


ちなみに2月1日(水)から再オープン。
このところ買付けなどでストアをクローズしがちだったので、オープン出来るだけオープンする予定です。

皆様にお会いできるのを楽しみにしております!