MOT: Rebecca Horn



行ってきました、レベッカ・ホルン展。

実は同時開催のラグジュアリー展より、自分の中ではこっちがメイン。
好みが分かれると思いますが、個人的には非常に素晴らしい展示だと思いました。
非常にポエティック、かつ官能的。

MOTの建築は、場所によっていろいろ雰囲気が変えてあるので、
プレゼンテーションが栄えますね!(しかし遠いよ!)


個人的に好きだった作品:「鯨の腑の光」2002

英語だとタイトルは「Light imprisoned in the belly of the whale」なので、
「腑」なんて訳すのは若干気取っているような?
直訳すると「鯨の腹に閉じ込められた光」。

私はこの邦訳がこねくりまわされた感じであまり好きでなかったので、
英語版のパンフをもらってきました。
詩は、英文はもっとシンプルで、スッと頭に入り込む感じ。
この詩を読んだ方がもっと作品を楽しめると思うんですけど、
日本語訳がわかりにくいので「やっぱ現代美術ってあれだわ」とか
思っちゃったりしたら残念ですね。
私もたまにやりますが、翻訳って難しい!
(彼女はドイツ人なので、もともとはドイツ語で書かれたのかな?
 あるならそれも読んでみたい(辞書を片手に))

静かにみえる水面が、壁に映すと意外に騒がしいところとか、
自分の体に詩が重なり合うっていうのも、
鯨の体内とか、何かの大きな思考のなかに組み込まれたようでうっとり。
瞑想的な空間です。



「雄鴉の羽のマスク」1973

この映像作品もとても印象に残りました。非常に官能的。
反対側に映し出されていた鉛筆のマスクとは
正反対のコミュニケーションの在り方でした。
なぜか両方とも展覧会パンフには載ってないんだけど。

もうひとつパンフに載ってないので印象的なのが『恋の逃避、貝の眠り』。
これは、観たらどう印象的なのかわかります(笑)
玉に人の顔が付いてて吹き出しそうになった。
この作品の感じでデュシャンの「泉」を思い出した。




ちなみに2階の映像作品は超ロングです。
最長104分なんて作品もあるので、全部観たいなら一日かけないと無理。
私は『ダンスパートナー』だけ観ました。


美術館内は(当然)空調がきいていて暖かかったのですが、
彼女の作品には、凍てつくようなピンとした空気が似合うような気がしました。
寒い国の作家は寒く、南国の作家は熱帯な空調にしてみてくれないかなぁ。